株式会社PIALab.(ピアラボ)

設立からわずか3年での規模拡大。東京、大阪、福岡に営業拠点を持つピアラの子会社として、徳島の人たちへ新たな職種と働き方を提案したい。

「株式会社PIALab.(ピアラボ)」は、東証一部上場のITベンチャー企業「株式会社ピアラ」の連結子会社として2018年、徳島県に設立されました。当初は本社を沖縄県に構えていましたが、2020年に本社機能を移し、現在は約90名が働く組織へと成長しています。

コールセンターを主な事業内容とし、健康食品や化粧品など、通信販売におけるお客様対応窓口を行っている会社です。2021年6月には、JR徳島駅前のアミコビルにオフィスを移転し、約3倍の増床を行いました。3年以内に200名規模への拡大を目指しています。

親会社の株式会社ピアラへ新卒入社したのち、テレマーケティングにおける専門部署での実績を経て、株式会社PIALab.の取締役に就任した石川愛莉氏に、設立の経緯や今後の展開をお伺いしました。

社員とピアラの仲間、地元企業の方々に助けてもらいながら、みんなで一緒に作ってきた徳島拠点。

親会社であるピアラは、600社以上のマーケティング支援におけるノウハウや独自のデータ蓄積を元に、ビューティ&ヘルス(美容と健康)領域及び食品領域を専門にお手伝いさせていただいているマーケティングコミットカンパニーです。
主にWebマーケティングを中心として、テレビや新聞、チラシなどのオフラインメディアも取り扱いながら、様々なクライアント様のコンサルティング業務を行っています。

そのため、広告運用後の問い合わせや注文窓口として、お客様の生の声が聞けるコールセンターを作りたいという話は以前から出ていました。全国のコールセンターに外注していた業務を内製化するという判断をした時は驚かれたこともありましたが、グループ内で運用することで、お客様の変化やクライアント様のニーズにより早く気付き、新たな提案に活かしていけるようになることが目的です。

立ち上げ当時、徳島県のコールセンターでお取引のあった株式会社Int(インテ)様にご協力をいただき、テナントのご紹介からコールセンターの設備手配、設定、事業の要である求人広告、採用、育成、管理、労務まで、コールセンター運営に必要なことを0から教えていただきました。
また徳島県は、補助金などの制度も非常に充実していて、それにもとても助けられました。自治体のサポートも手厚く、相談しやすい雰囲気があって、地元の目線から見た率直なアドバイスをいただけたことは、新しいチャレンジをするにあたって一つ一つを前に進める上で背中を押してくれるような感覚がありました。私はピアラでは営業しかやったことがなかったですし、一人で徳島に来たので本当に心強かったです。

「なかなか集まらない」と言われていた人材採用ですが、逆にビックリするほど順調にいきました。

社員は私以外全員、徳島県で採用をしています。「なかなか集まらないよ」という厳しい状況を聞いていたので、始める前に一番不安だったのが、人材探し、人集めです。

ただ実際やってみると、かなり順調に採用できています。これは嬉しい誤算でした。
地元の求人媒体の担当の方が、掲載のタイミングや紙面の枠押さえなどを積極的にご提案してくれ、細かい修正依頼や原稿差し替えにも柔軟に対応してくださったことがうまくいった理由です。
結果、設立当初はハローワークも使わず、紙媒体のみでオープニングスタッフを確保できました。最初からWebなど他の媒体を使わなくて良かったことは、新鮮な驚きでした。これは2年後3年後に媒体ジャンルを変えたり広げたりして、今も継続的に人材を確保できている一つの要素と考えています。

ピアラボは、社員一人ひとり違うそれぞれの状況になるべく寄り添えるよう、固定シフトではなく自己申告制を取り入れています。
それは、せっかく入社してくれた社員には長く働いてもらいたいと思っているからです。女性は特に、家事や子育て、介護など、ライフステージに応じて周りから求められる働き方が変わると思うので、柔軟な働き方ができるようにシフトを組みやすくしています。
一人ひとりの個性を大事に、なるべく全員が自分らしく自然体で働ける環境を作りたいと思っているので、採用の時にも「こんな人が欲しい」と人物像を固定しないようにしていました。

今思うと当たり前のことなのですが、東京でも徳島でも、成長したい、チャレンジしたい、学びたい、働きたいと思う女性はたくさんいて、それはフルタイムだろうが短時間だろうが、20代だろうが60代だろうが、年齢も性別も経歴もライフステージも関係なくみんな持っているものなのだということに、私は徳島へ来て気付きました。
来たばかりの私は経験も知識も浅くて視野が狭く、今以上に本当に小さかったです。しかし、コロナの影響を受け、働き方が急速に変わっていることは、自分が東京で仕事をしていたからこそ強く実感できている部分でもあります。世の中はどんどん変わっていっているので、社員から選ばれる職場というのがどういう場所なのか、これからも常に考えていかないといけないです。

徳島県の女性はパワフル。コールセンター事業との相性がすごく良いと思っています。

東京との人材レベルの違いを感じますか?という質問をよくいただくのですが、個人的には比べる必要がないのかなと思っているので、感じたことがありません。人材レベルをどういったものさしではかればいいのかもちょっとよく分からないです。
ただ一つ言えるのは、地方はやはり物理的に人の数が少ないから、人と人が話して生まれる新たな考えやサービスが生まれづらい。また、その数や量が少ないので、伝わる情報のスピードが遅い。そこは事実としてあると思っているので、しっかりと認識して、じゃあどうするかという部分を全員で補っていこうと思っています。

また、コールセンターの業務は画一的で単調だと思われがちですが、実際の業務領域は多岐に渡ります。一人ひとりのお客様ニーズを受け止め課題を解決する提案能力はもちろん、新しいシステムや商品知識を覚えなければいけないですし、作業においてはスピードや正確性も求められます。何より、それらを全員のお客様へ毎日同じように継続する必要があります。これはうちだけではなく全国のコールセンターに共通することだと思うのですが、オペレーターというのは、それくらい本当に大変な仕事です。
ただ、阿波踊りとお遍路のおもてなし文化が近くにあったうちの社員は、明るくてパワフルなのに相手を思いやる心地よい気遣いができます。昔から距離的に近い関西と商売をしてきた背景もあって「阿波商人」という言葉がありますが、その言葉にピッタリの真面目で堅実な面も持ち合わせています。そんな「阿波女」がコールセンターにピッタリな理由が皆様にも伝わると嬉しいです。

2021年6月にオフィスを移転。既存事業の拡大はもちろんですが、コールセンターという形にこだわり過ぎないようにしたい。

移転した新オフィスは、JR徳島駅前のアミコビル内にあります。徳島でピアラボのことを知っている人が何人いるのだろうと考えた時、その数を増やしたいと思ったので、誰にとっても分かりやすい場所にしようと決めました。

業務としては、従来のコールセンターが主軸なことに変わりはないのですが、アーティストのグッズ販売におけるECサイトの運用代行サービスや、オンライン事務代行サービスなどもテスト的に始めています。
これは徳島で出会った人と話す中で思ったことなのですが、やりたい仕事をやりたいと当たり前に言って、その仕事に出会うチャンスが誰にでもあるといいなと思ったからです。
東京では当たり前の未来が、徳島ではまだまだ薄い気がしているので、自分がここでいろんな職種を作っていけたら、私だけじゃなくみんながもっと違った未来を描けるのではないかなと考えています。
サテライトオフィスとかワーケーションも良いのですが、徳島で生きてきた人がもっと積極的になれるような、面白いことができたらいいですよね!

地の理というのは確かに存在していて、企業の数が都市に集中していることは事実です。うちも、うちだけではやっていけません。世の中の変化に遅れないためには、親会社と連携を取ることで情報量や営業リソースを補っていかないといけないです。
しかし、それだけではなく、うちが現場に集中してお客様のリアルな声と向き合い、クライアント様の商品やサービスが売れる理由、売れない理由を蓄積していくことで、親会社の力になれる瞬間が必ずあります。
グループの相乗効果を高めていけば、自分の理想が実現できるイメージができているので、これからも変わらずそういった動きを積み重ねていきます。

この新オフィスへ来るまで、正直うまくいかない事やハードルも少なからずあったのですが、そういったことも含めて全部、縁が繋がって乗り越えることができました。
周りに支えられ、社員と一緒に育ててきた会社なので、もっと徳島に馴染んでいきたいですし、少しずつ徳島の企業様ともお取引ができるようになったらとも思っています。
これまでいただいてきた分の感謝を、言葉ではなく形にして返していける会社にしていきますので、まだまだまだまだ未熟な会社ですが、これからのピアラボを楽しみに、期待してもらえたらと思います。

会社概要

設立
2014年7月31日
資本金
1,000万円(株式会社ピアラ100%出資)
売上
3,780万円
従業員数
80名(アルバイト含む)
事業概要
コールセンター事業
住所
徳島県徳島市寺島本町西1丁目5 アミコ東館6階
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