温暖な気候と豊かな水系がある徳島県では、木々の成長も豊かで県土の約4分の3を森林が占めているそうです。
平安・室町の時代には、すでに徳島の林業は広く世に知られていたというほど、徳島と「木」には深いつながりがあります。
こうした徳島の木の伝統や文化を多くの人に知ってもらいたいという想いから「徳島木のおもちゃ美術館」が誕生しました。東京おもちゃ美術館の監修で全国各地に設立されている姉妹おもちゃ美術館の1つであり、7館目の開館となるそうです。
5億円近い建築設計費でつくられた同館の延床面積は約1,600㎡。広々とした空間になっていて、館内には255種類もの木のおもちゃが備わっています。
同館のコンセプトは「0歳から100歳まで楽しめる」だそうです!実際に家族で体験してきましたので美術館の魅力をお伝えしたいと思います。
わくわくする仕掛けがたくさん
館内に入ると徳島すぎの香りが溢れ、心地良さを感じました。
最初にご紹介する里山ひろばは、徳島の山や川をイメージしてつくられた空間だそうです。
川の中には、たまごの形をした木球がたくさん。よく見ると本物のどんぐりも紛れています。子どもたちは「どんぐり見つけた!」と嬉しそうに、夢中で探していました。
また近くの木をよく見てみると・・幹の中にはいもむしが隠れていました!
磁石のついた棒で引っぱり出したり、手でつかまえたり、大人でも楽しくなる仕掛けがたくさんあります。本物の虫が苦手な方でも、このいもむしなら可愛く感じて、触ってみようかなと思えますよ。
またグッド・トイひろばでは、全国のおもちゃコンサルタント(約6,000名)が選りすぐったおもちゃを取り揃えています。変わった形をしていたり、想像していなかった動きをするおもちゃがあったりして、大人でも「これは何だろう?」と興味津々になりました。
徳島ならではの文化を体感できる
最新のおもちゃだけでなく、徳島らしい演出もたくさんありました。こちらは、「うだつの町並み」を取り入れた徳島らしい景観です。
そのほか、定刻になると動きだす人形浄瑠璃やお菓子を詰めて遊べる遊山箱など、徳島の伝統文化を紹介するコーナーもありました。子どもたちが伝統文化にも触れることができる良い機会になると思います。
遊びを通して感じる木の魅力
昔ながらの遊びであるコマ回しやけん玉ができる部屋では、子どもは初めて見るおもちゃに夢中になり、大人たちはけん玉に夢中になり、世代を超えて楽しんでいました。
その他にも、木のミニカーで遊べるスペース、2歳以下の子供たち専用のスペース、小学生くらいのお子様や大人も楽しめるテーブルサッカー、ボードゲームなど、多種多様なおもちゃがありました。
特に、小さい子どもたちに人気だったのが、きのこやにんじんなどの野菜やフルーツを収穫できる体験コーナー。見た目にもなんとも可愛らしく、収穫をする際の手触りがとても気持ち良く、木だからこその温かみ、楽しみを感じることができます。
徳島木のおもちゃ美術館は、なんどでも遊びに来たいと思える場所でした。
子どもたちは、自然と木に触れ、木の魅力を知ることができる良い機会になると感じました。伝統的なおもちゃ、新しいおもちゃ、海外製のおもちゃなど、色々なおもちゃにふれて創造力を育めます。
<徳島木のおもちゃ美術館>
所在地 徳島県板野郡板野町那東字キビガ谷45-22(あすたむらんど徳島内)
料 金 一般800円、小中学生300円、乳幼児以下無料
営業時間 9:30~16:00
定休日 水曜日(8月12日~15日までを除く)