スタッフコラム

嬉しいことでもストレスになる?! 1年間のストレス量を予測する「ライフイベント法」のご紹介

2022年も始まりましたが、今年も1年、充実し、また健康に過ごせそうでしょうか? 精神的健康を守るために、1年のストレス量を予測する「ライフイベント法」と呼ばれる測定方法をご紹介します。1年間でさらされるストレス量を点数化して把握することができます。

「せっかく、昇進したのに部下の元気がなくなった」
「家族も増え、住宅も購入したから頑張らないといけないのに、なぜか頑張れない」

それは、過剰なストレス量が掛かっているからかもしれません。 ご自身はもちろん、家族、同僚や部下などのストレス状況を把握するためにも、「ライフイベント法」をご理解いただければと思います。

ストレス得点表の使い方

「現在の生じている出来事」と「今後1年間で生じるであろう出来事」をチェックして、その合計得点を出します。 将来のイベントも対象になります。ライフイベント法は、1年間に受けるストレスの総量に注目するからです。

1年間の耐性得点は?

900点以上は緊急対応が必要です。600点以上となった方も危険水準なので要注意です。
職場で不適応症となった人の最頻値は900点台です。次に多いのが600点台、700点台です。

一方で、健康に過ごせた人は200点台~400点台がほとんどです。
600点以上は危険水準、900点がデッドラインと考えた方が良いでしょう。

嬉しいことでもストレスになる?!

ストレスとは、一般的にネガティブなことや悲しいことなどが原因と思われるかもしれませんが、喜ばしいこと、嬉しいことでもストレスになります。

例えば、「結婚」「妊娠」「個人的成功」「抜擢に伴う配置転換」などもストレスとなります。 また、「昇進」「収入の増加」「長期休暇」など、生活に変化を生み出すイベントもストレッサーになります。

もちろん、別離やトラブルなどは、特に大きなストレッサーになります。会社関係として、「会社を変わる」「転職」なども上位項目となっていますので、十分な注意が必要です。

ストレスへの対策

600点以上になった方は、今は大丈夫だとしても今後1年で過大なストレスにさらされることになりますので対処が必要です。

ストレス関連疾患の高いリスクが予測されますので、可能であればイベントを削たったり先送りしたりして、自分への負荷を減らしてください。それが無理な場合もあると思います。そのときは、高いストレスを受けていることを自覚し、日ごろから注意深く自分をいたわることが大切です。

今年1年、平和に暮らせるように年間のストレス量を把握、コントロールに挑戦してみてください。

■ストレス得点表

順位 ストレッサー 全平均
1 配偶者の死 83
2 会社の倒産 74
3 親族の死 73
4 離婚 72
5 夫婦の別居 67
6 会社を変わる 64
7 自分の病気や転職 62
8 多忙による心身の疲労 62
9 300万円以上の借金 61
10 仕事上のミス 61
11 転職 61
12 単身赴任 60
13 左遷 60
14 家族の健康や行動の大きな変化 59
15 会社の立て直し 59
16 友人の死 59
17 会社が吸収合併される 59
18 収入の減少 58
19 人事異動 58
20 労働条件の大きな変化 55
21 配置転換 54
22 同僚との人間関係 53
23 法律的なトラブル 52
24 300万円以下の借金 51
25 上司とのトラブル 51
26 抜擢に伴う配置転換 51
27 息子や娘が家を離れる 50
28 結婚 50
29 性的問題・障害 49
30 夫婦喧嘩 48
31 新しい家族が増える 47
32 睡眠習慣の大きな変化 47
33 同僚とのトラブル 47
34 引っ越し 47
35 住宅ローン 47
36 子どもの受験勉強 46
37 妊娠 44
38 顧客との人間関係 44
39 仕事のベース、活動の減少 44
40 定年退職 44
41 部下とのトラブル 43
42 仕事に打ち込む 43
43 住宅環境の大きな変化 42
44 課員が減る 42
45 社会活動の大きな変化 42
46 職場のOA化 42
47 団らんする家族メンバーの大きな変化 41
48 子どもが新しい学校に変わる 41
49 軽度の法律違反 41
50 同僚の昇進・昇格 40
51 技術革新の進歩 40
52 仕事のベース、活動の増加 40
53 自分の昇進・昇格 40
54 妻(夫)が仕事を辞める 40
55 職場関係者に仕事の予算がつかない 38
56 自己の習慣の変化 38
57 個人的成功 38
58 妻(夫)が仕事をはじめる 38
59 食習慣の大きな変化 37
60 レクリエーションの減少 37
61 職場関係者に仕事の予算がつく 35
62 長期休暇 35
63 課員が増える 32
64 レクリエーションの増加 28
65 収入の増加 25

【参考】 夏目誠、村田弘『ライフイベント法とストレス度測定』社会心理学研究/13 巻 (1997) 1 号

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