面接では、ほとんどすべての人が多少なりとも緊張します。若い人ほど緊張しやすいように思いますが、60歳を超えた人でも面接前は緊張しています。「何歳になっても緊張するんですね」と口にします。
適度な緊張は集中力を高めてくれますが、緊張しすぎると力を発揮することができなくなります。
そのようなことが無いように、エージェントは面接前に候補者の性格に合わせたアドバイスをしたり、面接対策を行います。時には、面接にも同席してサポートします。エージェントと良い関係を構築できていると、面接本番で強い味方になってくれるはずです。 しかし、エージェントが常に面接に同席できるとは限りませんし、結局、頑張るのは自分自身です。そこで、面接のときの緊張を緩和し、あがりを抑えるための小技をお伝えします。
面接官と自分の間にモノを置く
相手と自分の間に介在物があることで、注意と視線が分散され、緊張が和らぐ効果が期待できます。相手と自分の間に、灰皿を置くだけで不安が軽減され、会話しやすくなったという研究結果もあります。
最も簡単にできる対策としては、筆記用具などを自分の前に置くことです。筆記用具を置き、実際にメモを取れば、真剣さも伝わります。
履歴書・職務経歴書を手元に置くのもよいでしょう。面接時は、履歴書・職務経歴書に添って質問をされますので、質問箇所と照らし合わせるためにも、手元に置くと回答しやすくなります。面接開始時に履歴書を相手にお渡ししますが、余分を用意しておき、残った書類をカバンに戻さずに自分の側に置くと自然に手元に置けるでしょう。
また、予め伝えようと思っていることや、質問したいことなどをノートに書き込んでおくと良いでしょう。会話が止まった時のネタになりますので、頭が真っ白になったときはノートを見返しても良いでしょう。準備されたノートがあるだけで、安心感も増すと思います。
面接時にメモを見てはいけないと思っている方も多いのですが、事前にしっかりと準備していることや真剣さも伝わり好印象につながります。また、事前に文章にまとめることで自分の考えをまとめる効果もあります。「緊張しやすいタイプなんです」とおっしゃる方でも、事前にノートなどに自分の考えなどをまとめている方は、面接時にしっかりと回答しているように感じます。
マスクをつける
コロナ禍ならではの対策です。実は、マスクを着用することで、不安を軽減できることが分かってきています。
特に他者の視線や否定的評価に敏感な「対人不安者」には効果的です。対人不安者はマスクをすることにより、以下のような効果が確かめられています。
・相手に対する視線量が増える
・自発的な発話が増える
・コミュニケーションに対する自信が高まる
・相手からの印象が良くなる
マスク着用で面接に参加できるコロナ禍をぜひチャンスに変えて下さい。
成功イメージを大切にする、促進焦点の強化
目標達成に集中することで、不安が軽減されることがあります。物事に取り組むときに「成功したい」という気持ちと、「失敗したくない」という気持ちの両方が生じます。成功を目標とすることを「促進焦点」、失敗の回避を目標とすることを「防止焦点」といいます。
失敗を避けようとする「防止焦点」が優位になると不安が高まり、「あがり」が生じやすいと考えられます。そこで「促進焦点」を優位にする準備、つまり「成功を目標」にすることで、不安感をやわらげることにつながります。
そのためには、目標設定が重要です。完璧を求めず、自分が期待されていること、その中で自分ができることに絞って達成を目指しましょう。過大な目標は失敗を連想させ、緊張を招きます。自分の実力にふさわしいか、または少しがんばれば達成できそうな目標設定をしておくと自己効力感もアップし、意欲が湧くはずです。
面接だと「意欲と自分のコアとなるスキルだけを伝えられればOK」というくらいの目標でもいいと思います。もっと低い目標だと「挨拶とお礼をしっかりして、失礼のないように振舞う」という目標でもいいと思います。
素晴らしい人だと思ってもらおうというのは、実力以上の結果を出そうとしている、つまり高すぎる目標設定です。自分の目標にふさわしい目標設定をして臨んで下さい。
相手にではなく、自分に意識を向ける自己注意
これはトレーニングが必要な対策になります。あがり症の人は、日常生活や仕事の中でも意識し、トレーニングをすると良いかもしれません。
会話の中で、自分に注意を向けることであがりを抑えられることが最近の研究で分かってききました。自分の感情を考えることを「自己注意」といい、相手の感情を推定することを「他者注意」といいます。
自分の感情よりも、相手の感情に寄り添いすぎると緊張しやすくなってしまうので、相手に配慮をしすぎて緊張してしまう方は、自分の感情により注意を向けるようにしてみてください。
会話やスピーチやコミュニケーションだけでなく、日常的にも「自己注意」を意識することで、不安やストレス軽減にもつながる汎用的なスキルになっています。
相手の目を見る
これは個人的な体験に基づく対処法です。相手の目を見つめて話すことで、不思議と落ち着くことがあります。
人は慌てると視線が泳ぎます。あちこちに目線が動くことで落ち着きがなく見られますし、実際に散漫になってしまいます。相手の目に視線を定めると覚悟が決まります。また目と目が合い、理解し合えている感情が生まれることで、安心感も芽生えるように感じます。大勢の前で話すときでも、あまりきょろきょろせずに一人だけに注視することで緊張はほぐれていくはずです。
ただ、対人不安が強い人がすると逆効果かもしれませんので、ご注意ください。
挨拶とお礼
これも簡単ですので、必ず行ってください。
面接官にお会いしたときは、「お世話になります。今日は宜しくお願い致します。」と少し大きめの声でしっかり挨拶をしてください。
面接開始時には「お時間いただきましてありがとうございます」、終了時には「今日はありがとうございました。ご検討宜しくお願い致します」とお礼を伝えてください。
挨拶ができるだけで印象は必ず良くなりますし、面接の雰囲気も和み、自分の緊張もほぐれます。
自分を知る
自己分析も大切です。
自分が緊張したときにどうなるのかを知っておくことで、効果的な対策も取れます。
「あがり」のよくある例
・頭が真っ白になり無言になってしまう
・質問の意図を理解できずに、コミュニケーションがずれる
・話しているうちに何を話しているのか自分で分からなくなってしまう
・早口になる
それぞれに応じた対策を事前に工夫してみて下さい。
エージェントを使っている場合は相談すればかならず知恵を出してくれると思います。
面接で実力を出し切れるように、ぜひ参考にしてみてください。
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【参考】
●笠置遊『マスク着用が対人不安者の印象に及ぼす影響』感情心理学研究/26 巻 (2018) Supplement 号
●小笠原 香苗, 清河 幸子『他者のパフォーマンス観察時の注意の向け方が自身の「あがり」 に与える影響』 感情心理学研究/28 巻 (2020) Supplement 号