東京で開催された移住転職イベントに参加して感じた徳島の良さ、そして弱点について整理してみました。Uターンや移住を検討している方はご参考にしてください。貴重な出会いもありましたのでご紹介します。
1.「OFF TOKYO」DEEP Development
まずは初日の夜に行われた「OFF TOKYO」。東京にこだわらない働き方を提唱し、毎年ユニークな企画もあるIT系のイベントです。今回のテーマは「最も集中できるエリアを探す」というものでした。
視線の動きや瞬きを計測し、集中度を図るJINSの特殊な眼鏡を用いて計測する方法で、あらかじめ5つのエリアのエンジニアが実証実験に参加していました。
我が徳島代表であるプラットイーズの西本さんは2位でした。トップは和歌山県、最下位は宮崎県でした。それぞれのエンジニアが感想を述べたのですが、とても面白いことが分かりました。
最下位となってしまった宮崎代表エンジニアは「役職柄打ち合わせが多くデスクに落ち着いて座る時間が短いんです・・。宮崎が集中できないエリアとは思わないでください」とのこと。トップだった和歌山代表は「私は会議の時は計測していませんでしたよ。集中してデスクで仕事をする時だけ眼鏡をかけて計測しました」
全員が心の中で「それあかんやん・・」と突っ込んだと思います。が、要するに集中度はエリアよりもデスクに向かって集中できる環境をいかに確保するか、によるということでしょう。となると社風や役職、また個々人の意識、調整能力によるのかなと思います。
その後は懇親会でした。
スクエアエニックスの元社長の武市さんもいらっしゃいました。徳島でも知らない人が多いと思いますが、ゲームのファイナルファンタジーを作ったスクエアの創業者は徳島出身の方です。(創業者は宮本社長、今はドラクエのエニックスと合体してスクエア・エニックスになっています。)武市さんは高知出身で四国銀行に入社、スクエアの社長としてFF5~11くらいまで製作を指揮し、会社をグルーバル化させた成長の立役者です。
今は地元高知の産業振興アドバイザーとしても活動しています。ちなみに徳島のLED酵母を用いた「御殿桜」をお酌させて頂きました。
武市さんの発言でとても印象に残ったのは、「地方は人件費が安いことがメリットという認識を払拭しなければいけない。そのために『付加価値を生み出す』ことが最も重要。それができないと給料は上がらない」と話されていました。とても共感できます。値下げ合戦に未来はありません。付加価値創造を実現するのは困難ですが、意識は大切だと改めて感じました。
徳島の企業様も、電脳交通様、メディアドゥHD様、プラットイーズ様、Sansan様などが来られていました。メディアドゥ様については徳島での人材採用のご相談を頂きましたので、近々求人をご案内できると思います。
2.とくしま回帰セミナー
想像した以上の大盛況でした!今回の企画は仕事をテーマにしており、派手ではないですが、内容のある企画です。
こちらのイベントは22名が参加し、当日の飛び込みも半数近くいたそうです。同日に開催された温泉で有名な他県でさえも10名に満たないほどでしたので、大成功だそうです。徳島県の移住コンシェルジュや関係職員の皆様がこれまでコツコツ努力を続けてきたからでしょう。
毎月開催しているそうですが、普段よりもずっと多かったそうです。コンシェルジュの山城さんの話では、「仕事をテーマにしているからたくさんの人が来てくれた。移住を考えている人はみんな仕事に関心がある」とのこと。
移住と言うと農業や林業、独立してベーカリーやカフェを開くという特殊な事例が良く取り上げられます。でも多くの一般人は「転職」してUターンや移住をしてきます。特殊な事例だけでなく、一般人向けの転職による移住・Uターンを支援する窓口があることも知ってもらいたいと思います。
【民間の移住転職相談窓口】
いつか徳島:http://mutsubi-a.jp/itsuka/
【公共の移住転職相談窓口】
Turn Up 徳島(IT):https://turnup.tokushima.jp/
ジョブナビとくしま:https://jobnavi-tokushima.jp/jobstation/
3.徳島のいいところ悪いところ
徳島出身者でも、県外生活が長くなると徳島にUターンすることに対して不安を感じると思います。私は2回東京からUターンしましたが、初回は「またあの田舎暮らしに戻るのか」、と嫌になり心の中の葛藤は大きかった記憶があります。でも戻ってきたら一瞬で馴染みました。2回目のUターンの時は、どちらで住んでも自分次第だということを知っていましたので不安はありませんでした。
今回東京に行き、思い出したり感じた徳島と東京の差を発表します!
(1)文化・エンターテイメント
東京はやっぱり華やかですね。今回のイベントも夜景がきれいな高層ビルで内装もロマンチックでした。きっとコンサートやライブといったイベントも毎夜たくさんあるでしょうね。そういった文化的・刺激的な生活を送りたい人は東京がいいと思います。
「あれば行くけど、行かなくてもいい」という人はどちらでもいいと思います。「興味がない。あっても行かない」という人は、地方の方がいいと思います。私は後者なので東京で暮らしているときは嫌でも目や耳に入ってきて煩わしく感じていました。
新しい意見を聞くことができました!エンターテイメントに関しては地方は劣る、と思っていたがそうではなかったという意見です。その方は東京から山陰の地方に移住しましたが、その地方でかなりディープなイベントを発掘したそうです。グループ内の交流もあり、多くの刺激を受けているそうです。
地方のイベントは大々的に情報発信をしませんので自分で探して見つける必要がありますが、それも含めて楽しめる人なら自分の世界を作ることができそうです。
(2)情報量
情報量は東京が圧倒的に多いですね。電車に乗るとつり革広告だけでなく、モニターでCMが流れ続け、車窓からの景色は看板で埋め尽くされています。知ろうとしなくても知ることができます。なので、疲れました。
地方なら車を走らせながらたまに遠くに目をやって山や海を見て、新しくできた店があったら驚いて・・・。やっぱりのんびりしていますね。
多くの情報に囲まれて生活したい人は東京がいいと思います。そうでない人なら、地方の方が余計なパワー・ストレスはかからないと思います。
夜の徳島空港です。羽田空港や成田空港と比べるとなんと小さいことでしょう。だから、空港内で迷う心配は皆無です。構内の地図など必要ありません。1度行くと構造を完璧に理解できる安心感があります。
(3)人・ファッション
東京の人はおしゃれですね!女性は特に皆さん綺麗にしていました。ひらひらの服を着てお化粧をばっちりして。おしゃれが好きな人は東京がいいでしょう。
ラフな格好で過ごしたい人、おしゃれはたまにでいい人、面倒くさいと思いながら一応やっている人は地方が楽だと思います。
(4)暑さ
東京は暑かったです!!電車から降りて建物につくまで10分、15分歩いて汗だく。そのまま汗をタオルで拭いながら打合せになり、申し訳なくてさらに汗がダラダラと・・・。東京特有のむわっとした暑さ。東京の営業マンは日中徒歩移動・徒歩出勤をしているのでしょうか??命懸けですね・・・。
徳島なら車です。クーラーガンガンです。目的地にも駐車場があるので玄関から車までだけが徒歩です。徳島の方がずっと涼しく快適に暮らせます。
気候(?)は断然徳島がいいと思いますよ!特に汗かきの人は絶対に徳島です!
(5)グルメ
東京ではつけ麺を食べました。初日は「舎鈴」、2日目は「三田製麺所」でした。おいしかったです。徳島にはつけ麺屋がまだ少なく、たくさんある東京はうらやましく思いました。
でも、ムツビエージェント御用達の徳島の「六根」や「つけ麺 坊子」も味で負けていません!
東京は話題のお店や有名店、高級なお店も多いと思いますが、徳島には無名でもおいしい店、産地直送の豪快な店がたくさんあります。
どちらも楽しめると思いますので、引き分けとさせてください!
(6)まとめ
私は徳島、東京、京都で住んだことがありますが、当時はそこでしかできないことがありました。例えば私は法学部に入りたかったのですが、徳島には法学部のある大学がなく、県内に残る選択肢はありませんでした。どうせ県外に出るなら日本一の街で暮らしてみたいと思い東京を選びました。
東京で暮らしてみて好きになりましたし、京都も大好きで今でもよく遊びに行きます。それぞれに友達ができて思い出もたくさんあります。
今自分にとって大切なことは、仕事、趣味、家庭で、場所を選ばずどこでもできることだと思います。でも、どこでも暮らしていいとなったら、東京は選ばないかなと思います。
地方は知らず知らずに精神がすり減ることがないので、余計なことに煩わされずに、自分がやりたいことに集中できると思います。時間やお金の使い道を自分で選択でき、情報の取捨選択も自分でできます。
電車移動は便利ですが、いちいち何線に乗って、何駅で乗り換えて、何口で出てどこ方面に歩いて、何ビルのどの入り口から入り、どこで受付をして・・。かなり面倒くさかったです。その間も何百人(何千人?)の人とすれ違って無意識で気を遣いながら道を歩きました。
徳島なら車に乗って「あっちの方」に進んでいればだいたい着きます。念のために信号待ちの間にナビを入れるくらいです。プライベート空間なのでリラックスできますし、子どもが大泣きしても周囲を気にすることはありません。
浮いた分のエネルギーを、大切なことを考えるために使えるので、地方の方が本当にやりたいことをできるんじゃないかと思いました。「東京じゃないとできないこと」をやっている人以外は、地方の方が(徳島に限りませんが)自分らしく生きることができるのではと思いました。