クラウドサービスやWebシステム、アプリ等の開発・運営などを手掛ける「株式会社L is B(エルイズビー)」。
会社の成り立ちや、東京・大阪・福岡という首都圏に支社を持ちながら、なぜ徳島に開発拠点を構えているのかなど、取締役の加納正喜さんにお伺いしました。
エンジニアがいる場所が、開発現場になる。
創業は2010年9月。徳島県で生まれたソフトウェア開発会社、ジャストシステムに勤めていたメンバー数人で作った会社です。
ジャストシステムはモノづくりが好きな人が多くて、いろんなことにチャレンジできる会社でした。「とりあえずやってみろ」という感じで、意欲のあるエンジニアが成長できる土壌があったのだと思います。
2010年当時は、スマートフォンやタブレットが進化を続け、twitterやFacebookによるソーシャルビジネスの可能性が無限に広がっていく時期でした。
ジャストシステムでチャレンジ精神を学んだからこそ、当時の環境に甘えることなく、人生に一度のチャレンジとして自分を試してみたい気持ちで「L is B」にジョインしました。その後も同じような気持ちを持ったエンジニアが続々と仲間に入ってくれて、現在の形になっていきました。
現在の拠点は東京・大阪・福岡・徳島の4か所。合わせて40名ほどの社員が在籍しています。
当時、エンジニアがスキルを伸ばすには、東京に行くのが普通でした。ですが、今は全国どこにいても、プロジェクトに参加できます。もちろん徳島でも。
元ジャストシステムのエンジニアが集まってできた会社ですので、徳島には地縁も思い入れもあります。
エンジニアの多くが徳島にいるということもあって、拠点を作ってしまえばいいのではということで徳島ラボができました。
「徹底したユーザー目線」を貫く会社。
当社が目指しているのはマニュアルを見なくても使える、ユーザー目線で作られたプロダクトです。
この「マニュアルを見なくても使える」という点が、ジャストシステムのモノづくりでも重視されていましたので、創業メンバーの共通認識として、この思いはありました。
純国産チャットサービス「direct」
勤務場所の異なる多人数での情報伝達に最適な、「現場」での使用に特化したビジネスチャット。現在2,000社以上の企業が導入。
当社の主力商品で「direct」というチャットサービスがあるのですが、様々なシーンで迷うことなく使えるものにしたいという想いから、リリース後も常時アップデートを重ねています。
徹底したユーザー目線を経営陣もエンジニアも全員が共有し、それぞれの企業のニーズにしっかり寄り添っていることが強みです。結果、JR西日本、ANA、竹中工務店など大手企業へも導入していただいています。
最近ですと新型コロナウイルスの世界的な流行もあり、ビジネスを取り巻く環境は常に変化していると実感しています。そんな中で自社のサービスをどのように発展させればいいのか、どんな新しいサービスが世の中に必要なのかということを、常に考えています。
良いモノづくりのために、良い環境づくりを。
新しいことにチャレンジ、というと自由に好きなことができるような感じもありますが、実際の開発にはもちろんシビアな面もあります。
例えば、前述した「direct」の開発部は9週間ごとに新規機能をリリースするルールを設けています。
しかし、アウトプットを行うためには、充実したインプットの時間が必要です。そのために当社では、9週間のうち1週間を自由なテーマに取り組む時間として振り分けています。その1週間は趣味に使ってもいい。それが新しいアイデアに繋がって、実際のサービスに反映された例もたくさんありますから。
また、開発に必要となるデバイスや、作業効率を上げるためのアプリやサービスに関しては積極的に取り入れています。
徳島ラボは住所も電話番号も非公開なのでたまに怪しまれるのですが、これにも理由があるんです。
「開発センター」という位置付けにしているので、飛び込みや営業電話などに煩わされることなく開発に集中できるよう、これらの対応は東京で受けられるように配慮しています。
良いものを作るためには、良い環境が必要だというのも、創業時から変わらない考えです。
良いものを作れば、無理に売らなくても求められる。だからこそ、開発環境の整備には力を入れています。
徳島ラボのエンジニアたちは、現在9割が元ジャストシステムの社員ですが、みんな新しい技術や知識の習得に貪欲です。常に新しいものを求める気持ちがとても強いのです。
今後はいろんな場所で活躍されていたエンジニアの方にも加わっていただき、もっといろんなチャレンジができればいいなと考えています。