スタッフコラム

「社風が良い」会社に転職したい!でも「社風」はどう測る? ―Googleの社内調査で明らかになった「心理的安全性」の大切さ―

転職活動をしている方との面談の際に「社風が良い」会社をリクエストされることが良くあります。
しかし、「社風が良い」とはどういう意味なのでしょうか?
また、転職に際して事前にチェックすることはできるでしょうか?

それに関してGoogleが面白い調査結果を発表し、関心を集めています。
Googleの研究者がGoogle社内を対象にリサーチし、パフォーマンスの高いチームに共通する因子を明らかにしました。

その名も「Project Aristotle(プロジェクト アリストテレス)」。アリストテレスの「全体は部分の総和に勝る」という言葉に由来するそうです。
つまり1+1=2ではなく、3にも4にもなっているチームの共通点を分析しました。

もっとも重要な因子は「心理的安全性」
大量のデータと複数の統計モデルを用いて調査した結果、チームのパフォーマンスに良い影響を与えている圧倒的に重要な因子が発見されました。
それは、「心理的安全性」です。

「心理的安全性」とは何でしょうか?
簡単にいうと、社員が恐怖や不安を感じることなく、安心して発言・行動できる状態です。

・そんなことも知らない「無知」な社員
・その程度の仕事もできない「無能」な社員
・いつも否定的で「ネガティブ」な社員
・チームに貢献できない「邪魔」者

このように思われるリスクを感じることなく発言・行動できる結果、疑問に感じたことを質問したり、過ちを素直に認めたり、重要な指摘をしたり、新しいアイデアを披露することができます。

そのような行動をとっても、誰かから馬鹿にされることはなく、罰も受けず、「このチームなら大丈夫だ」と信じているからです。

「心理的安全性」が保たれたチームのメリット
リサーチ結果によると、心理的安全性の高いチームのメンバーは以下のようなメリットがあったそうです。

・収益性が高い
・Googleからの離職率が低い
・上司から「効果的に働く」と評価される機会が 2 倍多い
・チームメンバーが発案した多様なアイデアをうまく利用することができる

チームの成果と評価が向上し、しかも部下の満足度が高いという統計です。
夢のようなチームですので、経営者や管理職の方もマネージメントに取り入れてみると良いのではないでしょうか。

「心理的安全性」があるか、どのようにチェックすればよいでしょうか。
心理的安全性を見極めるチェックポイントがあるそうです。
転職に際しては、面接で質問してみても良いと思います。

1ミスをしても、非難されることが少ない。
2.課題や難しい問題を指摘し合える。
3.自分と異なるということを理由に他者を拒絶することがない。
4.チームに対してリスクのある行動をしても安全である。
5.チームの他のメンバーに助けを求めることができる。
6.チームメンバーは誰も、自分の仕事を意図的におとしめるような行動をしない。
7.チームメンバーと仕事をするとき、自分のスキルと才能が尊重され、活かされていると感じる。

面接でストレートに質問しても面接官からは本当の答えが返ってこないかもしれませんので、質問の仕方には工夫が必要です。

例えば、1に関しては、「新入社員によくありがちな失敗はなんでしょうか?そうならないようにどのようなことに注意すればよいでしょうか?」という前向きな質問から、失敗に対する許容範囲を探ってはいかがでしょうか。

5だと、「困ったことがあれば相談できる先輩や上司は何人くらいいるでしょうか?」と聞くとよいと思います。

個人で出来る取り組み
心理的安全性を高めるために、個人で簡単にできる取り組みがありますので紹介します。

1.仕事を実行の機会ではなく学習の機会と捉える。
2.自分が間違うということを認める。
3.好奇心を形にし、積極的に質問する。

このような行動や考え方で、自分発信で職場の「心理的安全性」を高めることもできるそうです。

でも個人の力だけではどうにもならないとき・・・。
そのときは、「心理的安全性」を視点に取り入れて転職活動を始めてみてもよいと思います。

<余談>
心理的安全性以外にもGoogleによって検証された因子とその影響をご紹介します。

パフォーマンスに強く影響する因子
◎心理的安全性
「チームの中でミスをしても、それを理由に非難されることはない」と思える。

◎相互信頼
「チームメンバーは、一度引き受けた仕事は最後までやりきってくれる」と思える。

◎構造と明確さ
「チームには、有効な意思決定プロセスがある」と思える。

◎仕事の意味
「チームのためにしている仕事は、自分自身にとっても意義がある」と思える。

◎インパクト
「チームの成果が組織の目標達成にどう貢献するかを理解している」。

パフォーマンスにそれほど影響しない因子
・チームメンバーの働く場所(同じオフィスで近くに座り働くこと)
・合意に基づく意思決定
・チームメンバーが外交的であること
・チームメンバー個人のパフォーマンス
・仕事量
・先任順位
・チームの規模
・在職期間

 上記は断片的な情報ですので、詳しくはぜひ参照をご確認ください。

参照
Google re:Work 「効果的なチームとは何か」を知る
https://rework.withgoogle.com/jp/guides/understanding-team-effectiveness/steps/introduction/

『Google re:Work』
re:Work とはGoogleがデータ分析を基に考えた人事施策を他に共有し、一緒に推進しようとする取り組みです。
https://rework.withgoogle.com/jp/about/

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