東京から徳島への移住転職で、通勤時間が2時間から20分に。プライベートの時間が増え、家族との時間も充実!

株式会社インフォデックス 和田 篤 氏

株式会社インフォデックス 和田 篤 氏

―― 和田さんは東京からのIターンということですが、徳島に移住してこられるまでの経緯を教えてください。

私は生まれも育ちも東京だったので、システムエンジニアとして働くのも当たり前のように東京でした。転機となったのは友達の紹介で知り合った妻との結婚です。彼女は当時徳島在住でしたが、私との結婚を機に東京に出てきて一緒に生活していました。
ただ、妻にとっては住み慣れた徳島を離れて東京で暮らすよりも、徳島で暮らす方が良かったみたいで。ちょうど子どもが生まれたこともあって、じゃあ子育てのことも考えて妻の実家がある徳島に引っ越そうか、という流れになったんです。

―― やはり徳島でもIT関係の仕事をし続けるつもりだったんですか?

そうですね。ただ、下調べをせずにいきなり移住したので、具体的にどの会社で働きたい、どのように転職活動を行おう、などは決めていませんでした。ITでは大きなソフトウェアメーカーがあるということは知っていましたが、それ以外に徳島のこと自体をほとんど知りませんでしたから。

身の回りに仕事がいくらでもある東京の仕事環境に慣れてしまっていて、ITの仕事はどこにでもあると思っていたんです。でも実際に移住してみたら、徳島でIT関係の仕事は思ったようには見つからなくて、2010年の8月に徳島に引っ越してきて、最初の就職先が決まったのは9月末ぐらいになってしまいました。

―― 就職活動に思った以上に苦労したとのことですが、それでも知らない土地で2カ月もしないで就職先が見つかったのですね。その間は必死に就職活動をしていたんですか?

それが、意外とそうでもなかったんです。仕事はそのうちなんとかなると思っていたので、のんびりと仕事を探しながら、徳島の自然を満喫していました。
特に印象に残っているのはトンボですね。東京では秋になると赤トンボが飛ぶぐらいですが、徳島に来てオニヤンマとかギンヤンマなどの巨大なトンボに衝撃を受けました。

「なんとか捕まえたい」と思い、毎日子どもと一緒に網を持って石井町あたりまで出かけていました(笑)。最初はやみくもに追いかけ回すばかりでうまく捕れませんでしたが、そのうち縄張りの中を同じコースで周回しているのに気づいて、一箇所で待ち構えるというコツを覚えてやっと捕れた時は嬉しかったですね。仕事が決まるまでの期間は今までにないくらい開放的な時間を過ごすことができました。

―― 徳島への「移住」「転職」だからこそ味わえた、大人の夏休みですね!きっと、お子さんにとっても貴重な体験になったでしょうね。

Turn Up 徳島では、徳島在住のキャリアアドバイザーが転職相談をお受けしますので、移住前に転職先企業を探すことも可能です。
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また、事前に情報収集をしたいという場合は、
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―― 徳島で仕事をする点で、東京との大きな違いはありましたか?

一番大きな違いは通勤時間ですね。東京の人の多さは異常なほどで、私が以前に住んでいたのは東京でも埼玉寄りの小平市でしたが、当時の会社がある横浜の桜木町までは電車で片道2時間ぐらい必要でした。片道1時間ぐらいの通勤はみんな普通と思える感覚なんです。さすがに2時間はちょっと遠いなと思いながらも続けていました。

徳島の感覚だと、通勤にも1時間かけるのはほとんどの人にとってありえないことですよね。私も自宅から会社まで20分ぐらいで来られるようになって、ずいぶん楽になりました。基本は車で通勤しますが、たまに自転車で行っても、20〜30分ぐらいで着きます。今まで通勤に費やしていた時間を自分のために使えるようになって、家族と触れあう時間も増えましたよ。

―― 逆に、東京と徳島で違いを感じない点はありますか?

仕事そのものについては、どこにいてもインターネットとノートPCさえあればこなせますし、本社との打ち合わせもネットを通じて問題無くできますから、オフィスで働いている感覚としては、何ら変わりはないと思います。徳島から働いているから何かができないとか、場所でのデメリットは無いですね。

勤務先のインフォデックスは、採用管理システム「SONAR(ソナー)」というオリジナルシステムを開発しています。導入企業は大手から中堅企業まで多数あり、日本トップクラスの実績を持っています。その開発を行っていますので、仕事内容やレベル的にも東京と違いはないと思います。

和田 篤 氏
東京本社とのコミュニケーションはPCや電話を通じて行うので、慣れれば不便も違和感もありません。

―― 東京に比べて、徳島は刺激が少ないと感じることは?

正直、仕事面で言えばそれはあるかもしれません。東京ではセミナーや同業者の数が多く、スキルアップの参考になる話を聞く機会がたくさんありました。徳島でも技術者の勉強会があるとは聞きますが、まだそこにアクセスできていなくて今模索中です。ただ、徳島県が支援して移住者向けのイベントやサテライトオフィスの交流会などを実施しているようなので、今後状況も変わるのかなと期待しています。

ワカメ
徳島で食べるワカメは、シャキシャキでとても新鮮。
3月~6月が旬で、採れたてのワカメは絶品。

生活面で言えば、むしろ徳島のほうが刺激的で楽しく感じますよ。徳島で最初に感じた刺激は、食べ物でした。特に魚介類は新鮮で、何を食べても東京よりも美味しいものばかり。
ハモなんて東京では高級なお店でしかお目にかかりませんが、徳島だと時期が来れば居酒屋でもメニューに並ぶじゃないですか。

ワカメにしてもそうで、毎年鳴門のワカメ祭りに出かけて、袋いっぱいのワカメを買うのが我が家の習慣になっています。

遊びも刺激的で、私は東京にいる頃から趣味でサーフィンをやっていますが、東京だとここまで海が近くないので頻繁には行けませんでしたし、行くとしても友達とばかり。

こっちだと海も砂も本当にきれいで、安心して子どもを遊ばせることができるので家族と行くことが増えました。

サーフィン
サーフィンが一年中できる徳島には、
サーフィンのために移住するもいる。

SEとしての基本的な技術を身につけたいという若い人とっては東京という環境は魅力的かもしれませんが、一通りのスキルを身につけた上で仕事と自分らしい暮らしを両立したい人にとっては、働く場所を東京だけに固執して考える必要はないと思いますね。

だるま朝日
徳島で家族と見た「だるま朝日」の写真。水平線に朝日が「だるま」のように歪んで見える蜃気楼。
英語ではその形からオメガサン(Ωsun)というそうで、珍しくとても縁起の良い現象だそうです。

―― そういう意味では、和田さんの移住は大成功といえそうですね。徳島の人や暮らしにもすっかり馴染みましたか?

東京の人からは、「地方に行くと標準語では話ができないよ」と脅されていたんですけど、実際に話してみると標準語と阿波弁でも会話はきちんとできました。

あと徳島の県民性として、のんびりしているというのと、仲良くなると人と人の距離がぐっと近くなるというのも感じます。東京だと日常的に知り合う人が多いから付き合いも自然と浅くなるというのもあるせいか、仲良くなってからも若干距離感を感じることが多いですね。東京での暮らしに慣れている人ほど、その徳島ならではの付き合い方を上手に受け入れることが大事ではないでしょうか。

―― 見知らぬ土地で転職をした和田さんが考える、移住と転職を成功させる秘訣とは?

ぶっちゃけ「運」ですね(笑)。転職にしても土地にしても、実際に飛び込んでみないと自分に合っているかどうかの判断はできないと思います。だめならまた次を探せばいいだけの話なので、前もってあれこれと心配するよりもまず挑戦してみることじゃないでしょうか。

転職だけに限っていえば、特に中途採用の場合は技術力とコミュニケーション力のバランスも大切だと思います。どちらも優れているに越したことはありませんが、もしコミュニケーション力が不足していても、それを補えるだけの技術力があれば会社にとっては魅力的な人材になるでしょうし、その逆もありえます。

先に話したように、IT関連はどこに住んでいてもできる仕事ですし、仕事の場において、大人数で集まる必要のある場面も昔に比べて少なくなりました。だからこそ自分が思い描くライフスタイルを尊重し、「ここに住みたい」と思える場所を見つけることが、何よりも大切なのかもしれません。

株式会社インフォデックス 和田 篤 氏
エンジニアとしてだけでなく、徳島オフィスをまとめるためマネジメントスキルをより意識したいと視点が変わったそうです。
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